日本で同性パートナーと暮らすためのビザと申請のタイミングについて
現在、日本の法律(民法)では同性婚が認められていません。そのため、例えば同性カップルAさんBさんで、Aさんは就労ビザ等で日本に在留できる状況の場合でも、その方の同性の配偶者Bさんは、たとえ海外で合法的に結婚している場合であっても、日本で「家族滞在」といった、結婚している場合に一般的に申請するビザを取得することはできません。
このようなケースで、就労ビザなどの在留資格を持たない同性カップルの一方の方(Bさん)が、パートナーと日本で一緒に暮らすための在留資格について、実務上の注意点や申請のタイミングについて、以下の3つの項目に分けてご説明いたします。
- 同性婚カップルが申請すべき「告示外特定活動」とは?
- 申請のタイミング
- 申請書類で特に気をつけるべきこと
まずは、同性カップルの方に知っておいていただきたいビザについてご説明いたします。
<同性婚カップルが申請すべき「告示外特定活動」とは?>
日本の入管法では、同性婚の配偶者は法律上の配偶者として扱われません。しかし、人道的な観点から、法務大臣が個別に認める「告示外特定活動」というビザが許可される可能性があります。
[対象となる方]
本国(外国)で有効に同性婚が成立しているカップルで就労ビザ等の在留資格を持っていない方(今回の例でいうとBさん)。
[活動内容]
いわゆる「家族滞在」ビザと同じで、カップルの一方が就労ビザ等で日本に滞在できる状況で、その方の扶養を受けて、同性配偶者として行う日常的な活動ということになります。原則として就労は不可ですが、資格外活動許可を得れば週28時間以内のアルバイトは可能です。
*この申請は、通常のビザ申請よりも個別事情が重視される、難易度の高い手続きと言えます。
では、いつ「告示外特定活動」を申請するのかについてご説明します。
<申請のタイミング>
この申請は「告示外特定活動」というものになりますので、申請人は短期滞在などのビザで日本に来て、日本にいる状態で申請をしなければなりません(外国人の本国では申請できません)。申請中にどうしても本国へ戻らなければならないという場合は注意が必要です。短期滞在から告示外特定活動への変更申請を出している最中に、許可が出る前に日本を出国してしまうと、原則としてその申請は放棄したものとみなされてしまいます。
せっかく準備して申請したのに、一時帰国したせいで全て白紙になってしまったという事態を避けるためには、スケジュール管理が何より重要です。「告示外特定活動」は、一般的なビザに比べて審査に時間がかかる傾向がありますので、短期滞在での入国から申請については全体のスケジュールに余裕をもってすることが重要です。もし、現在の短期滞在に時間的な余裕がないなら、一度帰国し、再来日してから申請するのが安全な方法です。
更に、申請時に注意しなければならないことについてご説明いたします。
<申請書類で特に気をつけるべきこと>
「告示外特定活動(同性パートナー)」の申請は、通常の配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の提出書類をベースにしますが、それだけでは不十分です。以下の3点に特に注意が必要です。
- 本国の法律の証明: パートナーの母国で同性婚が法的に成立していることを、公的な証明書(婚姻証明書など)で立証する必要があります。
- 二人の関係性の継続性: 「便宜上の結婚ではないか?」という疑念を持たれないよう、同居の事実や生計を共にしている証拠、これまでの交際経緯を記した「理由書」や二人の写真などで丁寧に証明することが必要です。
- 扶養能力の立証: 日本で働いているパートナー(今回の例ではAさん)が、もう一方を十分に養っていける経済力があることを証明します。
同性婚カップルの在留資格申請は、入管のホームページに明確な提出書類リストが載っていない告示外の手続きです。そのため、審査官を納得させるための説得力のある書類作りが合否を分けますので一つ一つ丁寧に書類等を作成していく必要があります。


