永住申請の年収の壁。世帯収入と申請タイミングの判断基準‐57

永住申請する場合の「年収」について

永住ビザの申請を考えている方にとってに不安要素の一つに「年収」があると思います。特に、転職したばかりであったり、過去に収入が低い時期があったりすると、「この年収では不許可では」と思われる方もいらっしゃると思います。(永住ビザの詳しい情報は『「永住者」の在留資格(2026年最新)』の記事でご説明しています)
このブログでは、年収に不安がある場合にどのように考えればよいのか、また、申請のタイミングをいつにすべきか、について詳しく説明していきます。
なお、法律用語では「独立生計維持能力」などと難しい言い方をしますが、要するに「日本で安定して生活していける収入があるか」という条件のことです。

今回、この記事では日本での結婚生活が20年になるご夫婦(実子あり)で、夫側が「永住者の配偶者等」というビザから永住申請を希望されていますが、ご本人の年収に波があるというケースを取り上げます。

  • ご夫婦の年収
  • 年収の条件はどう判断されるのか
  • 申請時期について
  • 結論

まずは、ご夫婦の年収の推移です。

<ご夫婦の年収>

夫の年収: 1年目 150万円 ⇒ 2年目 330万円 ⇒ 昨年 330万円

妻の年収: 平均 600万円

夫側は「自分の1年目の年収が低いので、最新の所得証明が出る6月まで待ってから申請した方がいいでしょうか?」と悩まれています。


次にこの年収が条件に当てはまるかを見てみましょう。

<年収の条件はどう判断されるのか>

永住申請では、一般的に「直近5年間で年収300万円以上」が目安と言われています。日本人や永住者の配偶者の方が申請する場合はこの確認期間が3年に短縮されます。
では丸々5年、もしくは3年、この年収300万円以上という基準をクリアしていない場合はどうなるのでしょうか。

「世帯合算」という考え方

永住審査では、申請人一人の収入だけで判断されるわけではありません。例えば結婚されている方の場合、「お財布を一つにしている世帯としての年収(世帯合算)」が重視されます。
例えば申請者本人の年収が200万円以下であっても、奥様の年収が600万円だった場合、、世帯合計では800万円となりますので、これだけの収入があれば、夫の低年収分を十分にカバーできるため、現時点で申請しても許可される可能性はかなり高いと言えます。


年収によっては申請時期で大きく道が分かれます。以下でそのご説明をいたします。

<申請時期について>

永住申請では、毎年6月頃にお住いの各市町村から発行される「課税証明書」が必要になります。この課税証明書によって、年収を入管に証明する訳です。この課税証明書は前年の年収の証明になりますから、例えば令和8年の課税証明書は令和7年の1月~12月までの年収を証明してくれます。日本人(あるいは永住者)と結婚していて、年収を証明しなければならない期間が3年の場合、令和8年、7年、6年の課税証明書を提出して、それぞれ令和7年、6年、5年の年収を証明する訳です。

仮に現在が令和9年1月頃と仮定した場合で、令和6年の課税証明書で証明する令和5年の年収が低かった場合、どのように対処するのがよいでしょうか。新しい課税証明書は毎年6月頃に発行となりますので、まだ令和9年の課税証明書はもらえません。令和9年の課税証明書で証明する令和8年の年収は十分だった場合、もう5カ月待って、令和9年、8年、7年の課税証明書で申請するか、今すぐ令和8年、7年、6年(年収低い)の課税証明書で申請するかの判断をしなければなりません。

上記の今回のケースを表にまとめます。

申請時期提出する証明書証明される年収の期間メリット
5月までに申請
(それまでの年収で申請したい)
令和5・6・7年度分令和4・5・6年の年収審査期間(1年半~2年)を考慮して早めに受付を済ませられる。
6月以降に申請
(最新の高い年収で申請したい)
令和6・7・8年度分令和5・6・7年の年収直近の高い年収を証明できるため、審査での評価が高まりやすい。

[今すぐ申請する場合]

例えば奥さんや夫の年収が十分で、世帯年収としては余裕があり、婚姻歴も長い場合、今すぐ出しても勝算は十分にあります。現在、永住申請審査期間は1年半~2年と非常に長いです(2026年4月現在)。少しでも早く永住権が欲しい場合は、すぐ動くのも一つの手です。

[6月まで待ってから申請する場合]

最新の証明書が出ることで、証明するころが必要な全ての期間について年収が基準をクリアしていることをきちんと証明できます。「より慎重に、確実に進めたいのであれば、6月まで待つのが正解です。


<結論>

このケースの場合、世帯年収が十分なので、現状でも許可の可能性は高いですが、昨今大変厳しくなる永住申請について少しでも不安をゼロに近づけたいのであれば、良い数字が確定する6月を待ってから申請するのがよいでしょう。

どちらを選ぶにしても、現在の状況で勝算がどのくらいあるか、専門家とシミュレーションしてみることがおすすめです。


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