海外出張が多い場合の永住申請について
グローバルに活躍される外国人ビジネスパーソンの方は、どうしても海外出張で日本にいない期間が長くなってしまいます。
今回は、「仕事の都合で海外出張が重なり、直近で日本を離れていた日数が合計100日を超えてしまった」という場合、そのまま永住申請をしても許可されるのか、それとも日数が減るまでタイミングを待つべきなのか、実務上の判断基準について以下の4つの項目で解説します。(永住申請については『「永住者」の在留資格(2026年最新)』の記事で詳しくご説明しています)
- 出国日数に関する入管の審査基準
- 仕事上の理由があれば許可されるのか
- 申請のタイミングを見計らうのも一つの戦略
- まとめ
まず気になるのが、どのくらいの期間、日本を離れてしまうと、永住申請に影響があるのか、だと思います。以下でご説明します。
<出国日数に関する入管の審査基準>
永住審査において、「引き続き日本に住んでいること(居住の継続性)」は絶対に外せない大前提です。
実は、法律や入管の審査要領において「年間〇日以上出国したら不許可になる」という明確な日数の基準が明文化されているわけではありません。しかし、実務経験に基づく目安として、以下の日数をオーバーすると「そもそも日本に住む必要性がないのではなか」「生活の拠点が日本にないのではないか」と疑われ、審査において大きなマイナス評価を受けると言われています。
- 📌1回の出国で「連続90日」以上、日本を離れた場合
- 📌1年間の出国の合計が「概ね100日〜150日」以上になった場合
今回のご相談のように年間100日以上の出国が見込まれる場合、審査官から少し厳しい目で見られるラインに入りかけている状態と言えます。
では、永住申請が受け入れられる余地はあるのでしょうか。
<仕事上の理由があれば許可されるのか>
では、年間100日以上出国していると絶対に永住が取れないのかというと、決してそんなことはありません。
例えば会社での業務上どうしても頻繁な海外出張が必要不可欠であるといった「客観的かつ合理的な理由」がある場合は、日数が多くても許可される可能性は十分にあります。
ただし、ただ単に申請書を出すだけでは不十分です。入管側は「本当に仕事だったのか、単なる長期休暇や母国への帰省ではないか」を確認しなければならないため、以下のような対応が必須となります。
💡「理由書」による詳細な経緯の説明
(ただ理由を書くだけでなく、その裏付けとなる証拠として以下のような客観的資料を一緒に添付します)
- 🏢会社での「出張申請書」などの提出
- 📅出張日程表など、業務を裏付ける客観的資料の提出
これらを丁寧に揃えて、「出張が多くて日本を離れる日数は多いが、あくまで生活の拠点は日本にあり、日本の経済に貢献している」ということをしっかりとアピールする必要があります。
他にも注視すべきポイントがあるでしょうか。以下でご説明します。
<申請のタイミングを見計らうのも一つの戦略>
もし、ご本人のスケジュールに余裕があり、数ヶ月待つことで「年間合計出国日数が100日を超えてしまった年が、審査対象となる直近10年間(この期間は条件によって変動します)から外れる」という見込みがあるのなら、少し待ってから申請するのも非常に賢明な戦略です。
理由書や大量の証明書類を準備して審査官を説得するご負担や、万が一の不許可リスクを減らし、より安全でクリーンな状態で申請に臨むことができるからです。急いで申請しなければならない特別な事情がない限り、直近1年間の出国日数が少なくなるタイミングを見計らうことは、実務上よく行われる方法です。
以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
<まとめ>
出張が多くて不安な場合は、ご自身の出入国記録(パスポートのスタンプやフライト履歴)を一度すべて洗い出し、直近10年間(この期間は条件によって変動します)の合計日数を正確にカウントしてみることが第一歩です。「今の状況で申請して大丈夫か、少し待つべきか」と迷われた際は、一度専門家にご相談いただくのをお勧めします。


