高度専門職でからの永住申請で直近住民税が非課税の場合について
日本の大学を卒業後、自ら会社を設立して「高度専門職(ハ:経営・管理)」のビザを取得し、業績を軌道に乗せて順調な経営滑り出しとなった場合、最速1年で永住申請が可能となります。
これは外国人経営者にとって非常に魅力的なコースですが、「1年」という短期間であるからこそ、いざ申請しようとした時に「税金の証明書」のタイミングがハードルになることがあります。
今回は、高度専門職ポイント(80点以上)を利用した永住申請において、「昨年度まで学生だったため、直近の住民税が非課税(0円)になっている」というケースで、どのように入管の審査に対応し、ポイントと収入の安定性を証明すべきかについて以下の4つの項目で詳しく解説します。
- なぜ永住申請で「非課税証明書」が問題になるのか
- 6月の「新年度の証明書」を待たずに申請できるか
- 本当に高年収をもらっているかを別の書類で証明する
- まとめ
まず最初に問題点の整理をいたします。
<なぜ永住申請で「非課税証明書」が問題になるのか>
高度専門職(80点以上)で永住を申請する場合、その高いポイントを稼ぐために「年収の高さ(例えば年収1,000万円以上など)」が大きなウエイトを占めているケースがほとんどです。
しかし、役所で発行される住民税の「課税・納税証明書」は、前年の所得に対して計算される仕組みになっています。そのため、現在どれだけ会社から高い役員報酬をもらっていても、前年が「大学院生(無収入またはアルバイト程度)」であった場合、春先の時点で取得できる最新の証明書は「非課税(税額0円)」となってしまいます。
これでは、入管の審査官に「本当にポイント計算通りの高年収を得ているのか?」「将来にわたって安定した生計が維持できるのか?」と強い疑念を抱かれてしまう原因になります。
次に申請時期についてご説明します。
<6月の「新年度の証明書」を待たずに申請できるか>
役所で新年度の住民税証明書(現在の高年収が反映されたもの)が発行されるのは、毎年6月頃です。「それまで申請を待たなければならないのか?」とご相談を受けますが、実務上は「6月を待たずに、とりあえず今の非課税証明書で申請をスタートさせる」ことは可能です。
その具体的な方法ですが、、現在の「非課税証明書」に加えて詳細な「理由書」を添付することです。理由書の中で「前年は大学院生であったため現在は非課税証明書しか発行されないこと」を具体的に説明し、「本年6月に新しい課税・納税証明書が取得でき次第、速やかに追加提出(追完)します」と宣言して申請を行います。
提出書類は上記のものだけで十分なのでしょうか。以下でそれをご説明します。
<本当に高年収をもらっているかを別の書類で証明する>
ただし、ただ理由書をつけて「6月まで待ってください」と言うだけでは不十分です。住民税の証明書で年収の高さが証明できない以上、「現在、間違いなくポイント基準を満たす高年収を受け取っていること」を別の客観的資料で立証する必要があります。
実務上、非課税証明書の弱点を補うために必ず提出すべき強力な疎明資料は以下の3点です。
- 📌直近の「源泉徴収票」
会社から発行される源泉徴収票を申請時点で必ず添付します。
- 📌報酬の振込みが確認できる「通帳のコピー」
書類上の年収だけでなく、「実際に毎月、高い役員報酬が個人の銀行口座に振り込まれている事実」を見せることが最も説得力があります。
- 📌会社発行の「予定報酬証明書」や「役員報酬の決議書」
会社(ご自身が経営する法人)から、今後1年間にいくらの報酬を支払う予定なのかを公的に示す証明書を作成し、株主総会議事録などの役員報酬決定通知と併せて提出します。
以上のことを踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
<まとめ>
🚨高度専門職からの1年での永住申請は、通常の永住申請(10年)に比べて期間が圧倒的に短い分、特例を満たすだけの「安定性・継続性」に対する審査の目は非常に厳しくなります。
💡書類のタイミングによる矛盾(高年収なのに非課税など)が生じる場合は、なぜそうなるのかを先回りして説明し、代替資料で審査官の不安要素に対応しておくことが大切なポイントとなります。


