パスポート期限切れの状態での「永住申請」について
色々なビザ(在留資格)は、外国人の方がそれぞれ決められた範囲で日本で活動するために必要なものですが、日本で長く働き、生活の基盤が完全に定着した外国人の方が最終的な目標とするのが「永住者」のビザです。(「永住者」のビザについては、『「永住者」の在留資格(2026年最新)』の記事で詳しくご説明しています)
永住許可申請の準備を進める中、ご自身のパスポート(旅券)の有効期限が切れて失効していることに気づくケースがあります。
このブログでは、パスポートの更新手続き中に永住申請の書類を提出してもよいのか、またその場合の申請書の書き方や実務上の注意点について以下の4つの項目で詳しく説明していきます。
- パスポートが失効している状態での永住申請
- 実務上のおすすめは新しいパスポートを受け取ってから
- どうしても先に申請する場合の「申請書」の書き方
- まとめ
期限切れにより「旅券(パスポート)」が失効していたら、永住申請はどうすればよいのでしょうか。
<パスポートが失効している状態での永住申請>
永住許可申請書の「旅券(パスポート)」の欄には、旅券番号と有効期限年月日を記載する必要があります。しかし、母国の大使館でのパスポート更新手続きは予約が取りづらく、新しいパスポートが手元に届くまでに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
早く永住申請をしたい方の中には、パスポートが失効したままの状態で先に入管へ申請書を提出することを希望される方もいっらっしゃいます。
このような場合、申請書に「パスポート更新申請のために準備中」あるいは「更新申請中」と記載して入管の窓口へ提出すること自体は、物理的には可能かもしれません。しかし、実務上の観点からはおすすめできない理由があります。
では、どうすればよいのでしょうか。
<実務上のおすすめは新しいパスポートを受け取ってから>
結論から申し上げますと、💡永住申請は新しいパスポートが無事に発行されてから落ち着いて行うことを強くおすすめします。
一般的な就労ビザなどの在留期間更新許可申請であれば、現在のビザの期限という厳格なタイムリミットがあるため、パスポートの更新が間に合わなくても、ビザの期限内に書類を入管へ提出しなければオーバーステイになってしまいます。
しかし、永住許可申請にはそのような差し迫った申請期限はありません。現在のビザの在留期限に余裕がある限り、いつでも好きなタイミングで申請することができます。
入管の審査官から見れば、「今すぐ申請しなければならない法的な期限や合理的な理由がないのに、なぜわざわざ身分証明の基本であるパスポートが失効した不完全な状態で永住申請をしてきたのか」と疑問を持たれる原因になります。
日本に永住したいと申し出るにあたり、まずは自分自身の基本的な公的書類(パスポート)をしっかりと適法な状態に整えてから申請に臨む方が、審査官への心証は間違いなく良くなります。
ですが、なんらかの理由で申請を急ぎたいこともあるでしょう。その場合はどうしたらよいでしょうか。以下でご説明します。
<どうしても先に申請する場合の「申請書」の書き方>
ご本人の「どうしても1日でも早く申請したい」という強い希望がある場合は、例外的にパスポートの更新完了を待たずに申請を進めることになります。
その際、少なくともまだ大使館に行く前(準備中)の段階で入管へ書類を出すのは避けるべきです。💡必ず大使館でパスポートの更新申請手続きを完了させた後に入管へ行くようにしましょう。
そして、永住許可申請書の「旅券(パスポート)」欄には以下のように記載して提出します。
- 🪪旅券番号欄:「更新申請中」と記載
- 🗓️有効期限年月日欄:「N/A(該当なし)」と記載
- 📄添付書類:パスポートを更新中であることを示す大使館からの受領証や予約票のコピー
上記を提出し、新しいパスポートが届き次第、速やかに入管へ追完(追加提出)するという形をとるのが実務上最も適当な対応となります。
以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
<まとめ>
永住申請は、これまでの日本での生活態度や公的義務の履行状況が総合的に審査される、非常に重要で厳格な手続きです。急いで申請を出したからといって、早く許可が下りるわけではありません。
💡焦って不完全な状態で書類を提出するよりも、ご自身の身分証明書や添付書類を完璧に揃え、審査官に一切の疑問を抱かせないクリーンな状態で申請を行うことが、結果として最も確実な永住許可への道となります。


