海外から外国人社員を採用する際のスケジュール管理と実務手続きのポイント-77

海外から外国人社員を採用する際の実務手続きについて

企業のグローバル化が進む中、海外の大学を卒業した優秀な外国人を直接採用したいという企業様が増えています。外国人を日本に呼び寄せて雇用するためには、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の取得手続きが必要になります。

このブログでは、海外から外国人を採用する際の気をつけるべきスケジュールの考え方や、書類準備に関する実務上の細かな疑問点について以下の5つの項目で説明していきます。

  • 海外から外国人社員を呼び寄せるまでの「全体の流れ」
  • 入社までにビザの許可は間に合うのか
  • 外国語の書類に日本語の翻訳は必要か
  • 結果を受け取るための返信用封筒について
  • まとめ

本格的な書類準備に入る前に、まずは海外から外国人社員を呼び寄せるまでの「全体の流れ」を頭に入れておきましょう。

<海外から外国人社員を呼び寄せるまでのロードマップ>

海外から外国人社員を呼び寄せるまでの5ステップ

  • ステップ1: 内定・雇用契約の締結(※ここに停止条件を入れます)
  • ステップ2: 日本の入管へ「在留資格認定証明書(COE)」の申請
  • ステップ3: COEの交付・海外の本人の元へ郵送
  • ステップ4: 現地の日本大使館・領事館でのビザ発給手続き
  • ステップ5: 来日・入社

※については、後の項目で説明がございます。


全体の流れがわかったところで、特につまずきやすい「スケジュール」や「書類のルール」の疑問について、詳しく解説していきます。
まず、「スケジュール」についてご説明します。

<入社までにビザの許可は間に合うのか>

入社シーズンに向けて、海外にいる外国人社員のビザ手続き(在留資格認定証明書交付申請)を進める際、人事担当者様が最も気にされるのが「入社日に間に合うかどうか」です。

一部上場企業などの大規模な会社(入管の区分でカテゴリー1と呼ばれる企業)が受け入れる場合、提出する書類も少なく済み、審査も比較的早く進む傾向にあります。しかし、現在の入管の審査状況において、「いつまでに必ず審査が終わる」という明確な期限の約束はありません。審査は申請人一人ひとりの状況に合わせて個別に行われるため、結果が出る時期は案件ごとに異なります。

もし、入社日までにビザの許可が間に合わなかった場合、当然ながらその外国人社員はまだ日本で働くことができません。
そのため、企業側としては万が一の遅れに備えて、雇用契約書の中に「就労ビザが許可されることを条件として効力を発生する」(停止条件)という文言を必ず入れておく必要があります(※)。そして、審査期間には不確実な部分があることを、採用するご本人にも事前にしっかりと説明しておくことが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。


次に書類のルールについてご説明します。

<外国語の書類に日本語の翻訳は必要か>

海外の大学の卒業証明書など、外国語で書かれた書類を入管へ提出する場面は多くあります。入管の公式なルール(留意事項)には、「提出書類が外国語で作成されている場合には、訳文(日本語)を添付してください」と明確に定められています。

しかし、「英語の書類なら翻訳は不要だ」という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。実際の入管の実務においては、確かに「英語」で書かれた証明書などについては、日本語の翻訳文をつけずにそのまま提出しても受け付けられ、審査が進むことがほとんどです。

ただし、これはあくまで現場の運用上の慣例であり、規則に「英語なら翻訳不要」と正式な明文で書かれているわけではありませんので、専門用語など、難解な英語が使用されている場合、翻訳文の提出を求められることがありますので注意してください。また、ベトナム語やその他の言語で書かれた書類については、原則通りすべて日本語への翻訳が必須となります。英語以外の書類には、必ず誰が翻訳したかを明記した日本語訳を添えるようにしてください。

  • 🟢 英語の書類 ➔ 原則、翻訳なしでそのまま提出OK! (⚠️ただし、専門用語が多い難解な書類は追加で翻訳を求められることがあります)
  • 🚨 英語以外の書類(ベトナム語、中国語など) ➔ 日本語への翻訳が「必須」! (⚠️必ず「誰が翻訳したか(翻訳者名)」を明記した日本語訳をセットで提出してください)

更に実務でのワンポイントアドバイス💡

<結果を受け取るための返信用封筒について>

無事に審査が完了すると、入管から「在留資格認定証明書」という大切な書類が郵送されてきます。申請の際には、この証明書を送り返してもらうための「返信用封筒」をあらかじめ用意して窓口に提出します。

入管の案内文には、「定形封筒に宛先を明記の上、必要な額の郵便切手(簡易書留用)を貼付したもの」と記載されています。少しでも早く手元に届くようにと、速達料金を追加した切手を貼ることももちろん可能ですが、切手代の計算や貼り付けは少し手間がかかります。

実務上は、郵便局やコンビニエンスストアで販売されている「レターパックプラス」や「レターパックライト」を返信用封筒として代用することが認められています。レターパックであれば、あらかじめ料金が支払われており、追跡番号もついているため安心です。
企業の人事担当者様や私たち行政書士も、確実な受け取りのためにレターパックを活用することが多くなっています。


以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。

<まとめ>

海外からの外国人採用は、入社時期から逆算した緻密なスケジュール管理と、イレギュラーな事態を想定した契約書の準備が非常に重要になります。また、書類の翻訳や細かな提出ルールなど、初めて手続きをされる企業様にとっては迷うポイントが数多く存在します。何か不明な点があった場合は、行政書士などの専門家に相談してみてください。


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