借入金がある場合の帰化申請について
帰化をしたいと考えている方からいただくご相談の中に、「借金があると帰化できませんか?」というものがあります。特に最近は、コロナ禍で生活が大変だった時期に、国からお金を借りた(総合支援資金など)という方も多いのではないでしょうか。
例えば技人国(技術・人文知識・国際業務)のビザで働いている方が、コロナ禍で仕事が減ってしまったので生活のために国からお金を借りて、現在は毎月きちんと返済しているような場合、帰化申請をするにあたり、これを一括で返済してしまった方が良いのでしょうか。一括返済してしまうと貯金残高が無くなってしまうような場合でも、返済を優先した方が良いのでしょうか。
このように、帰化申請の為には「借金返済」と「貯金」のどちらを優先すべきか、悩まれている方は少なくありません。
今回は、借入金が帰化の審査にどう影響するのか、そしてどのように対応すればよいのかについて、下記の4つの項目で詳しく説明していきます。
- 生計の条件とは何か
- 審査官からの指摘
- どちらを優先すべきか
- まとめ
まず、帰化申請の中で「収入・資産」に関わる条件についてご説明します。
<生計の条件とは何か>
以前のブログでもお伝えしたことがありますが、帰化するための7つの条件の中に「生計条件」があります。これは、「日本で日本人として生活していける収入や資産があるか」というチェックです。
ここで大切なのは、「借金がある=即不許可」ではないということです。
住宅ローンや車のローンがあっても、しっかり働いて返済できていれば帰化は可能です。
しかし、「生活費のための借入」については、審査官は少し厳しい目で見ることがあります。なぜなら、生活のためにお金を借りたということは、収入の範囲内で生活ができない(自立していない)と判断されてしまうからです。
そこで、審査官からこの「借入金」がどのように判断され、指摘がありうるのかをご説明します。
<審査官からの指摘>
このようなケースの場合、法務局の審査官から「一括で返済しないと不許可になる可能性があります」という指摘をされることがあります。
審査官の考え方としては、「過去に足りなかった生活費を、今の余力でしっかり穴埋め(完済)してください」ということです。そうすることで初めて、「今のあなたは、もう誰の助けもなくても日本で安定して暮らしていけますね」と認められる、という考え方です。
そうしますと、「借金返済」と「貯金」どちらを優先すればよいのかが、より気になるところです。そちらをご説明します。
<どちらを優先すべきか>
もし、手元に少し余裕があるのなら、申請の前、あるいは審査の途中で一括返済をしてしまうのが、最も確実な方法です。
「貯金が減ってしまうのが心配」というお気持ちもよくわかりますが、帰化の審査において、貯金の額そのものよりも、「借入に頼らずに生活できているか」という安定性の方がずっと重要視されます。 もちろん、無理をして生活が苦しくなっては元も子もありませんので、まずは現在の収支の状況(毎月の給料と支出)をしっかり整理することが大切です。
<まとめ>
- コロナ禍の借入があっても、それだけで帰化がダメになるわけではない。
- ただし、「生活費の借入」は生計の安定性に疑問を持たれる原因になる。
- 余裕があるなら、一括返済して「生計に問題なし」と見せるのがセオリー。
- 貯金の額よりも、今の収支がしっかり黒字であることが大切。
余裕がある状態であれば一括返済がベストの選択になりますが、それではあまりに現在の生活が厳しくなってしまうということであれば、実際に審査官からの指摘があるまではそのまま分割返済をしていく、というスタンスで良いかと思います。


