高度専門職ビザで働く会社に「事業継承」などがあった場合について
ビザ(在留資格)は、外国人の方が日本で活動するために欠かせないものですが、その中でも「エリートビザ」とも言えるのが高度専門職です。(高度専門職ビザについては、『高度専門職1号』・『高度専門職2号』の記事で詳しくご説明しています。)このビザは、永住権への近道にもなる非常に有利な資格です。
しかし、この高度専門職ビザには、他の就労ビザにはないルールがあるのをご存知でしょうか。特に、勤めている会社が「事業承継」などで新しくなった場合、本人は気づかないうちに「ビザのルール違反」状態になってしまうリスクがあるのです。
今回は、実例をもとに、高度専門職の方が絶対に知っておくべき「所属機関の変更」について以下の4つの項目で詳しく解説します。
- 高度専門職ビザのルール
- 「事業承継」は転職と同じ?
- 手続きで気をつけるべき「条件」
- 高度専門職を守るためのアドバイス
まず、高度専門職だけにあるルールとは、どういったことなのかからご説明します。
<高度専門職ビザのルール>
通常、「技術・人文知識・国際業務」などの一般的な就労ビザであれば、転職しても仕事内容が変わらなければ、入管に「転職しました」という届出を出すだけで、今のビザのまま働き続けることができます。
ところが、高度専門職は違います。高度専門職のビザは、「その会社で、その仕事をするあなた」に対して、ピンポイントで許可が出されているからです。
そのため、たとえ仕事内容が同じでも、働く会社(法人格)が変わる場合は、原則として「在留資格変更許可申請」をやり直さなければなりません。 つまり、入管の審査を一から受け直す必要があるということになるわけです。
では、それが「事業継承」だった場合はどうなるでしょうか。そのことについてご説明します。
<「事業承継」は転職と同じ?>
- ここでよく問題になるのが、「事業承継」のケースです。
- 会社が新法人に引き継がれた
- 社名が変わった(法人番号も新しくなった)
- でも、自分の仕事も、職場も、上司も、何一つ変わっていない
本人からすれば「名前が変わっただけ」と感じるかもしれません。しかし、法律の世界では「法人」が変われば、それは全く別の組織への移動、つまり「転職」とみなされます。
実際、入管からも「大至急、変更申請をしてください」と案内が来るケースが増えています。特に永住申請を準備している方は注意が必要です。手続きを忘れていると、「この人はルールを守っていない」と判断され、永住申請に悪影響が出てしまいます。
次に手続きの際に注意しなければならない条件についてご説明します。
<手続きで気をつけるべき「条件」>
もし、事業承継などで新法人の所属になった場合、以下の2つのポイントを確認してください。
- 採用日はいつになるか?
- 「説明文」を付けること
なぜ会社が変わったのか、事業承継の経緯などを入管に分かりやすく説明する書類を添えることで、審査がスムーズに進みます。
最後に高度専門職ビザの有益性を維持するために、どういった場合に気をつけなければならないかをご説明します。
<高度専門職ビザを守るためのアドバイス>
高度専門職は、ポイントを維持して1年または3年経てば永住申請ができるという大きなメリットがあります。しかし、そのカウントは「適切なビザの状態」であってこそ成立します。
- 会社が合併・分社化した
- 個人事業だった勤務先が法人になった
- グループ会社内で異動した
上記はすべて在留資格変更許可申請が必要になる可能性が高いイベントです。
「これって手続き必要かな?」と少しでも不安になったら、手遅れになる前にぜひご相談ください。
2026年現在、入管の審査はより厳格化する傾向にあります。せっかく積み上げたポイントや日本での実績を無駄にしないよう、確実な手続きを進めていきましょう。


