ビザ変更申請中の本国への一時帰国と新在留カード受け取りについて
例えば留学生の方が、留学ビザから就労ビザへ変更する場合、大学の卒業時期や入社日に合わせたスケジュール調整が必要です。学校を卒業してから日本の会社に入社するまでの間に数ヶ月間、母国へ帰省して家族と過ごしたい、入社前に長期のリフレッシュ期間をとりたい、といった理由で、日本を一時的に離れるケースは特に注意が必要です。
ご本人にとっては社会人になる前の貴重な時間ですが、ビザの変更申請と長期の一時帰国の時期が重なってしまうと、手続きのやり方次第では在留資格が失効してしまう危険性があります。
今回は、申請中に日本を離れる際の在留カード受け取りのルールと、絶対に守らなければならない期限について4つの項目で解説します。
- 申請中に本人が海外にいる場合、新しい在留カードは受け取れるか
- 実務上の最重要ポイント・特例期間(2ヶ月)について
- 実務上の推奨スケジュールと解決策
- まとめ
留学ビザから就労ビザへ変更申請手続きを進行させつつ、日本を一時的に離れるときの注意点についてご説明します。
<申請中に本人が海外にいる場合、新しい在留カードは受け取れるか>
例えば、現在の留学ビザの期限が5月15日までの方で、4月中に日本の入管へ「技術・人文知識・国際業務」へのビザ変更申請を行い、審査の結果を待つ間の5月初旬から7月頃まで、数ヶ月にわたって母国へ帰国するというスケジュールを立てたとします。
もし本人が海外に滞在している最中の6月や7月に審査が完了し、入管から許可が出た場合、日本にいる会社の担当者や行政書士などの代理人が、本人不在のまま新しい在留カードを代わりに受け取っておくことはできるのでしょうか。
結論から申し上げますと、⚠️申請人本人が日本を離れて海外にいる間は、代理人であっても新しい在留カードを受け取ることができません。
新しい在留カードの交付を受ける(または郵送で受け取る)際、法律上「申請人本人が日本国内に滞在していること」が大前提となるためです。したがって、本人が日本へ再入国した後でなければ、カードの受領手続きは行えないことになります。
では、申請者本人が日本に不在である場合の対応策はあるでしょうか。以下でご説明いたします。
<実務上の最重要ポイント・特例期間(2ヶ月)について>
⚠️ここで絶対に知っておかなければならない、非常に重要なタイムリミットが存在します。それはビザ申請に伴う特例期間(2ヶ月)です。
現在のビザの期限内に変更や更新の申請を行えば、元のビザの期限が過ぎても結果が出るまで、または、これまでのビザの期限から最長2ヶ月(特例期間)までは、適法に日本に滞在できるというルールがあります。審査が完了した後のカードの受け取りには通常、「許可から10〜14日以内」といった推奨期限が示されますが、これに多少遅れたとしても、遅くとも特例期間の最終日(元の期限のちょうど2ヶ月後)までには、必ず新しい在留カードを受領しなければなりません。
上記のご相談のケース(元のビザ期限が5月15日)に当てはめて計算すると、どれだけ遅くても7月15日までに本人が日本に戻り、カードを受領しなければならないことになります。
もし一時帰国の予定が長引いて7月まで日本に戻れず、この7月15日という特例期間の最終日を1日でも過ぎてしまうと、その瞬間にこれまでのビザは完全に失効し、日本への再入国すらできなくなってしまいます。
実務上、どう考えてスケジュールを立てたらよいかを以下でご説明させていただきます。
<実務上の推奨スケジュールと解決策>
このような最悪の事態を防ぎ、確実に新入社員をお迎えするためには、計画段階で以下のいずれかの調整することが大切です。
- 🪪帰国前に新カードの受け取りまで完了させる
4月になるのを待つのではなく、大学の卒業見込み証明書や卒業証書が出た段階で1日でも早く変更申請を行うことです。
母国へ帰国する予定日よりも前に審査を完了させ、日本にいるうちに新しい在留カードの受け取りまでを済ませてから出国するのが、実務上最も安全です。 - 🏢認定証明書(COE)による呼び寄せ申請への切り替え
もし家庭の事情などで、どうしても数ヶ月間確実に日本を離れることが決まっており、特例期間内(上記例なら7月15日まで)の日本への再入国が物理的に不可能なのであれば、「変更申請(日本でビザを切り替える)」という方法自体を諦める必要があります。
この場合は、留学ビザを一度終わらせて母国へ帰国し、企業側は日本で新たに海外から呼び寄せるための「在留資格認定証明書(COE)交付申請」を行うという手段をとります。COEが出れば、帰国期間を終えた後に母国の日本大使館(または領事館)で新しい就労ビザを発給してもらい、再入国・入社を開始することができます。
以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
<まとめ>
留学生の採用において、卒業から入社までのブランク期間に一時帰国をはさむスケジュールは多く見られます。しかし、入管の「特例期間(最長2ヶ月)」のタイムリミットとご本人の渡航計画がずれてしまうと、せっかくの採用内定が全て白紙になってしまう危険性があります。
ご本人の希望する帰国期間と入管の審査期間を逆算し、適切な手順を踏まなければスムーズな受け入れはできませんので、専門家に相談するなどの対策をお勧めします。


