【日本人の配偶者等ビザ更新】「婚姻届出」「滞在費」、記入内容の矛盾を防ぐテクニック-105

日本人の配偶者等ビザ更新時の「本国への婚姻届出」と「滞在費」について

日本人と結婚して長年日本で暮らしている外国人の方にとって、数年に一度やってくるビザ(在留期間)の更新手続きは、生活に欠かせない大切なイベントです。その在留期間更新申請時に、「前回の申請書のコピーを紛失してしまい、細かい項目の書き方が分からなくなってしまった」という状況になった場合、どうすればよいのでしょうか。

今回は、「日本人の配偶者等」の更新申請書を作成する際、意外と記入内容に迷ってしまう2つの項目、「本国への婚姻届出」と「滞在費の月額」の正しい書き方と実務上の対応について以下の3つの項目で解説します。

  • 「本国等届出先・届出年月日」は空欄でもよいのか
  • 「滞在費支弁方法」の月平均支弁額はどう計算して書くべきなのか
  • まとめ

まず意外とわからなくなってしまいがちな項目の記入方法についてご説明します。

<「本国等届出先・届出年月日」は空欄でもよいのか>

申請書の第18項には、婚姻の届出先と年月日を書く欄があります。日本の役所への届出日は戸籍謄本を見ればすぐに分かりますが、問題は「(2) 本国等届出先・届出年月日」の欄です。
「昔のことで正確な日付を忘れてしまった」「そもそも相手国(アメリカなど)側に正式な婚姻の届出をしたかどうかも曖昧だ」という場合、ここは空欄のまま提出しても良いのでしょうか。
💡結論から申し上げますと、実務上、この欄が空欄のまま提出されても直ちに問題視されたり、不許可になったりするケースはほとんどありません。
実際、国際結婚の手続きにおいて、日本側で先に婚姻を成立させた後、本国側への報告的届出を行っていない(法律上不要な国もある)ご夫婦も多くいらっしゃるためです。前回の申請時も空欄で出していた可能性も十分にあります。

ただし、最も安全で確実な申請をするのであれば、以下の対応をおすすめします。
たとえば、現在お持ちの在留期限までに1ヶ月以上の十分な余裕がある場合は、入管に対して「保有個人情報の開示請求」を行い、過去に自分が提出した申請書の控えを取り寄せるという手段があります。
これにより、過去の申請内容との「矛盾(前回は日付を書いていたのに今回は空欄になっている等)」を完全に防ぐことができます。(情報開示請求については、『ミスなく就労ビザ申請を行うための「情報開示請求」』の記事にも記載がございます)


もう一つ、書き方を迷いがちな項目についてご説明します。

<「滞在費支弁方法」の月平均支弁額はどう計算して書くべきなのか>

申請書の第20項には、「滞在費(日本で暮らしていくための生活費)を誰がどのように負担し、月にいくら使っているか」を書く欄があります。
例えば、「日本人妻は専業主婦で、外国人夫の年収が約1000万円あり、夫自身が全額を負担している」という場合、月平均の金額はどのように書くのが正解でしょうか。生活費として実際使っている実費として例えば「約30万円」と書くべきか、それとも別の計算をするべきか迷うところです。
この欄で入管が確認したいのは、💡「世帯の収入の範囲内で、日本で安定して暮らしていけるだけの十分なお金が毎月確保できているか」という点です。
したがって、実際の生活費の目安として「30万円」と記載しても、年収(1000万円)の範囲内に余裕で収まっており、かつ夫婦2人が生活するのに十分な金額であるため、全く問題視されることはありません。
また、実務上のテクニックとして、「年収を12ヶ月で割った区切りの良い数字」を記載するという方法も非常によく使われます(※特に東京出入国在留管理局の管轄では一般的な書き方です)。このケースであれば、1000万円÷12ヶ月=83万円となるため、「約80万円」といった金額を記載しても、客観的な年収データと合致するためスムーズに審査を通過します。


以上の内容を踏まえてこの記事でお伝えしたいことをまとめます。

<まとめ>

ビザの更新手続きは、新規申請に比べると許可されやすい傾向にありますが、それはあくまで「過去の申告内容と矛盾がなく、現在の生活基盤が安定していること」が申請書から読み取れる場合の話です。
「たぶんこうだったはず」と曖昧な記憶で空欄を埋めてしまい、後から過去のデータと食い違って入管から説明を求められる事態は避けたいので、時間に余裕がある場合は過去の申請内容について開示請求をして、✨記入内容に矛盾が無いようにすることが大切です。
💡そのような時間がない場合は、あいまいな記憶に基づいて無理に記入せず、空欄で提出するというのも一つの方法です。


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