新入社員の就労ビザ取得が4月1日に間に合わない!違法リスクを減らす雇用開始日と社保の手続き-107

就労ビザの契約上の雇用開始日とビザ取得日について

4月は新入社員を迎え入れる企業にとって、労務管理が忙しくなる時期です。特に外国人留学生を採用した場合、「入社日は4月1日で進めたいのに、就労ビザの許可(新しい在留カードの受け取り)が4月上旬にずれ込んでしまった」というケースは、実務上非常に多く発生します。

今回は、一例として、4月11日に就労ビザ(技人国)のカードを受け取った新入社員の、正しい就労開始日と、社会保険などの労務手続きにおける注意点について以下の4つの項目で解説します。

  • 最短の「就労開始日」はいつになる?
  • 会社都合で「4月1日入社・社保加入」にしても大丈夫?
  • 実務上の安全な対応策と雇用契約の書き方
  • まとめ

会社側は4月1日に勤務を開始してほしいと思っていたとして、在留資格が4月11日に取れる場合、実際に勤務できるのは、いつになるのでしょうか。以下でご説明します。

<最短の「就労開始日」はいつになる?>

留学生が「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を行い、無事に許可が下り、就労ビザの取得日「4月11日」だったとします。
この場合、申請人ご本人が新しい会社で実際に働き始めることができる最速の就労開始日は、新しい在留カードを受け取った「4月11日」となります。
いくら会社側が「4月1日から働いてほしい」と望んだとしても、4月10日以前はまだ「留学ビザ(またはその特例期間)」であるため、正社員として働くことは不法就労(資格外活動違反)となってしまいます。


会社の実務管理上、書類上だけでも4月1日を開始日にすることはできるでしょうか。以下でご説明します。

<会社都合で「4月1日入社・社保加入」にしても大丈夫?>

企業の労務担当者様からよくご相談を受けるのが、「人事管理や社会保険・労働保険の手続き上、新入社員は全員一律で『4月1日入社』として処理したい。ビザの許可が4月11日だったとしても、書類上4月1日入社にしてしまって問題ないか?」という疑問です。
結論から申し上げますと、安易に4月1日を入社(就労開始)として処理してしまうのは、入管の審査上、リスクを伴います。
後日、次回のビザ更新などの際に入管が社会保険の加入記録や給与台帳を見たとき、「この外国人はビザの許可が下りる前の4月1日からすでに働き始めていたのではないか?(=不法就労させていたのではないか)」という疑念を抱かせる原因になるからです。


では、どのようにすれば管理上と実際の開始日をすり合わせられるでしょうか。以下でご説明します。

<実務上の安全な対応策と雇用契約の書き方>

このような日付のズレによるトラブルを防ぐため、実務上は以下のいずれかの対応をとる必要があります。

  1. 📝 雇用契約書に「停止条件(但し書き)」をつけておく

入社前に交わす雇用契約書の雇用開始日を「4月1日」とする場合でも、必ず「ただし、就労可能な在留資格への変更が許可された日を実際の就労開始日とする」といった一文を盛り込んでおきます。これにより、カード取得日である4月11日からの就労開始とすることに法的な筋が通ります。

  1. 🗓️「在籍は4月1日、就労と給与発生は4月11日から」と明確に分ける

どうしても社会保険等の加入手続きを4月1日に一括で行いたい場合、「4月1日時点で会社に在籍(入社)はしているが、ビザが下りるまでの10日間は一切働かせておらず、報酬も発生していない」という状態を作ります。最初の給与計算を「4月11日からの日割り」にして実態と完全に一致させれば、理屈の上では違法ではありません。
ただし、この方法は後々入管から疑義を持たれた際に、タイムカードや給与明細などを提示して「本当にビザが下りるまで働かせていなかった」ことをしっかり説明できる準備をしておくことが不可欠です。


以上の内容を踏まえてこの記事でお伝えしたいことをまとめます。

<まとめ>

外国人雇用においては、会社の社内ルールや労務上の都合よりも、「入管法のルール(在留資格の有効期間)」が最優先されます。🚨日付の矛盾は不法就労の疑いを招き、企業にとっても外国人社員にとっても後々問題になりかねませんので、日付の管理には十分気を付けてください。


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