「退去強制」ではなく「出国命令」を選ぶメリットと条件-51

「出国命令」という制度について

在留資格で決められた期間を超えて日本にいたり(オーバーステイ)、法律に違反して懲役刑を受けたりした場合は、退去強制(日本から強制的に出国させられる)という非常に厳しい手続きになってしまいます。(退去強制については、『日本に暮らし続けたいあなたへ。「退去強制」のルールと救済措置』のブログで詳しくご説明しています)
ですが本来、退去強制になってしまうような場合でも、より負担の少ない『出国命令』という制度を利用できる場合があります。こちらは、ある程度、自主的に日本を出国することができる制度です。
ここでは、出国命令という制度について、退去強制と比較しながら以下の3つの項目で説明をしていきます。

  • 再入国禁止期間
  • 入管施設への収容
  • 出国命令となる為の条件

まずは再入国禁止期間の違いからご説明します。

<再入国禁止期間>

[退去強制となって日本を出国した場合]
原則として5年は日本に再入国することはできません。また、2回以上退去強制になっていたり、1回目の退去強制であってもその理由が悪質だった場合は、10年再入国することができなくなります。
[出国命令で日本から出国した場合]
1年たてば、また日本に再入国できます。


次に入管施設への収容に関して違いをご説明します。

<入管施設への収容>

[退去強制]
基本的には入管施設に収容され、出国するまでは自由に行動することができなくなります。
[出国命令]
収容されることはありませんので、出国までの間は自由に行動することができます。


最後に「退去強制」ではなく「出国命令」にするためにはどうすればいいのかについてご説明します。

<出国命令となる為の条件>

退去強制ではなく出国命令で日本を出る為には、以下のような条件をクリアする必要があります。

  1. 自分から、入管庁へ出頭すること
    入国警備官の調査の結果、違反と認定されて収容されるのではなく、自分から入管庁へ出頭することが大切です
  2. 出国しなければならなくなった理由が「オーバーステイ」であること
    出国しなければならならなくなった理由となる違反はオーバーステイであることが必要ですので、その他、例えば不法に在留資格を取得する為に文書を偽造したり、不法に働くことに関係したりなど、オーバーステイ以外の違反が理由となる場合は出国命令にはなりません。
  3. 過去、懲役や禁固刑を受けたことが無いこと
  4. 出国する為の飛行機のチケットを予約しているなど、出国する準備があること

これらの条件をクリアすると出国命令となる可能性があります。
出国命令を受けた場合、通常は15日以内に出国する必要があります。
そして、出国命令を受けますと当然ながらそのまま日本を出国することになりますので、例えば日本人と結婚して子供がいるなど、日本にいることが必要な特別な理由がある場合は、この出国命令を受けるのではなく、退去強制手続きの中で在留特別許可を受けることが必要となります。(在留特別許可については、『日本に住み続けたいあなたへ。「退去強制」のルールと救済措置』のブログで詳しくご説明しています)
「日本に残りたい(在留特別許可)」のか、「一度帰って最短で戻ってきたい(出国命令)」のか、この選択は大きな分かれ道となります。
また、入国警備官や警察に捕まってしまう(摘発される)のと、自ら勇気を出して出頭するのとでは、その後の運命が大きく変わってきます。自分から入管庁へ出頭することがとても大切です。

以上が出国命令についてのご説明です。


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