
特定技能ビザでの「検品」・「品質」チェック業務について
製造製品の検品や品質チェックなどの業務は特定技能ビザ対象になるのでしょうか。例えば最近は、iPhoneやAndroid携帯などの検品・品質チェックを主な業務とする企業が増えていますが、こうした現場で外国人スタッフを雇用はできるのでしょうか。
今回は、スマートフォンなどの製造製品検品業務を特定技能1号(工業製品製造業分野)で申請する際のポイントと、企業側が必ず確認しなければならない産業分類と製造品出荷額のルールについて4つの項目で解説します。
- 「携帯の検品」は特定技能の業務区分に該当するのか
- 「製造品出荷額」が発生しているか
- 「検品」=「関連業務」となる点に注意
- まとめ
特定技能で就労ビザを取得するためには、雇用する側・される側、両方に規定があります。以下でご説明します。
<「携帯の検品」は特定技能の業務区分に該当するのか>
工業製品製造業分野には「機械金属加工」「電気電子機器組立て」などの区分があり、その中に「機械検査」や「機械保全」といった作業が含まれています。(特定技能1号、2号の工業製品製造分野については『就労ビザ【特定技能1号】工業製品製造、造船・舶用工業、飲食料品製造、木材産業分野』、『就労ビザ【特定技能2号】工業製品製造、造船・舶用工業、飲食料品製造業分野』で詳しくご説明しています)一見すると、スマートフォンの品質チェックや検品もこの「検査」に該当しそうに思えます。
しかし、⚠️特定技能の審査において「この業務がどの区分に該当するか」を判断するのは、入管ではなく経済産業省(製造業特定技能外国人材受入れ協議会)です。
そして、業務区分以前に、そもそも特定技能(工業製品製造業)として認められるためには、⚠️「自社が日本標準産業分類の対象産業に該当しているか」という前提条件をクリアしなければなりません。
では、雇用する側の規定はどのようなものなのか、以下でご説明します。
<「製造品出荷額」が発生しているか>
特定技能の工業製品製造業分野で外国人を受け入れるためには、所属機関(受入企業)が「対象となる製造業を営んでいる事業所」であることが大前提となります。
携帯の検品や品質チェックは、メーカーの製造工場だけでなく、街の携帯販売ショップ(サービス業)や、通信キャリアの設定・キッティングセンター(物流・倉庫業)などでも行われます。
もし企業の主たる事業が単なる「携帯電話の仕入れ・検品・販売(リユース業や卸売・小売業)」である場合、それは製造業とはみなされず、特定技能の枠組みを利用することはできません。
運用要領上、この対象産業に該当するかどうかの明確な判断基準として、直近1年間で、対象となる製造品の「出荷額」等が発生していること、が求められます。つまり、自社で何らかの工業製品を製造(組み立てや加工を含む)し、それを出荷して売上を立てている実績がなければ、特定技能での受け入れは入り口で弾かれてしまうのです。(※主たる事業が別であっても、事業の一部として対象の製造品出荷額が発生していれば受け入れ可能なケースもあります。)
雇用側の条件には、製造分野での営業だけでなく、他にも注意すべきことがあります。以下でそれをご説明します。
<「検品」=「関連業務」となる点に注意>
仮に、自社が製造品の出荷額を持つ適格な製造業者であったとします。しかし、ここでもう一つ注意するべき点があります。
⚠️特定技能1号の工業製品製造分野において、検品や品質チェックといった作業は、本来のメイン業務(例えば電気電子機器の組立てなど)に付随する「関連業務」とみなされる可能性が高いという点です。
特定技能のルール上、「外国人に専ら(もっぱら)関連業務のみを行わせることはできない」と定められています。つまり、1日中ひたすら携帯の検品だけをさせるような業務内容では、ビザの許可は下りない可能性が高いということです。
以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
<まとめ>
「この作業をさせたいから特定技能を申請しよう」と安易に考えてしまうと、「そもそも自社が対象の産業分類に当てはまっていなかった」「メイン業務として認められない作業だった」となると、時間と労力を無駄にしてしまうことになります。
💡特定技能での受け入れを検討する際は、業務内容だけでなく、自社の産業分類や直近の決算書(製造品出荷額の有無)を確認し、経済産業省や協議会のルールに合致しているかを正確にチェックしていくことが大切です。


