知っていれば安心、在留資格のCOE交付後にビザ発給が遅れる理由と対応策‐74

在留資格認定証明書(COE)が交付されたのに、母国でビザが発給されない場合について

日本で外国人を雇用するため、厳しい審査を経て入管から「在留資格認定証明書(COE)」が交付されたとき、受け入れ企業の担当者様もご本人も、まずは安堵されることと存じます。
しかし、手続きはここで終わりではありません。実際に来日するためには、交付されたCOEを母国にある日本の大使館や領事館へ本人が提出し、パスポートに「ビザ(査証)」を貼り付けてもらう手続きが必要です。

通常ならスムーズに進むはずのこの段階で、「書類を出して1ヶ月も経つのに、ビザが発給されない」と手続きが滞ってしまうケースが稀に発生します。
今回は、母国の領事館でビザの発給が遅れている場合、どのように対応すべきか、その実務的なポイントを以下の4つの項目で分かりやすく説明していきます。

  • ビザ発給までのスケジュール
  • なぜ、COEがあるのにビザが出ないのか
  • 手続きが止まってしまったときの対応
  • まとめ

まず最初にビザの発給が止まっているかもしれないと判断する目安からご説明します。

<ビザ発給までのスケジュール>

通常、日本の入管が発行したCOEを現地の領事館に提出した場合、ビザが発給されるまでの期間は原則として約1週間とされています。
国や地域、あるいは申請時期の混雑状況によって多少の変動はありますが、本来は何ヶ月も待たされる性質のものではありません。そのため、提出してから3週間から1ヶ月以上が経過しても何の連絡もない場合は、何らかの理由で審査や手続きが止まっている可能性を疑う必要があります。


それでは、どういう理由で審査や手続きが止まってしまうのでしょうか。以下でご説明します。

<なぜ、COEがあるのにビザが出ないのか>

「日本の入管が入国を認めているのだから、領事館もすぐにビザを出すべきでは」と思われるかもしれません。しかし、日本の入管(法務省の出入国在留管理庁)と、海外の大使館・領事館(外務省)は異なる管轄の組織です。
入管が書類上で「条件をクリアしている」と判断してCOEを出したとしても、現地の領事館が以下のような点を不審に思ったり、追加の確認が必要だと判断したりした場合、独自に審査を保留することがあります。

海外の領事館が審査を保留する「4つの主な原因」

経歴・身分の疑義: 提出された身分証明書や、学歴・職歴の書類に怪しい点がある 面接での不自然さ: 現地での面接時、本人の受け答えや言語能力に不自然な点があった
過去のデータとの食い違い: 過去の来日歴・渡航歴のデータと、今回の申請内容が一致しない
現地独自の情勢: 一部の国や地域では、書類の信憑性チェックが厳重に行われている

非常に稀なケースですが、入管の審査を通過してCOEが手元にあっても、現地領事館の最終判断でビザの発給が拒否(不発給)されてしまうことも実際に起こり得ます。


では、手続きが止まってしまったとわかった場合、どうしたらよいのかを以下でお伝えします。

<手続きが止まってしまったときの対応>

もし1ヶ月以上も進展がない場合、そのまま待ち続けるのは得策とは言えません。実務上は、以下のように対応を進めるのが一般的です。

手続きが1ヶ月以上止まったときの「2つの対処法」

  • 🚨現地の本人が領事館へ直接問い合わせる
    まずは、海外にいる申請人本人が、書類を提出した大使館や領事館へ直接電話や窓口で問い合わせを行います。「日本の行政書士から問い合わせてほしい」と依頼されることもありますが、海外の領事館は日本の民間組織や代理人からの問い合わせには原則として応じません。あくまで「申請者本人」からの確認に対してのみ、現在の進捗状況や、遅れている理由(追加書類が必要かどうかなど)を教えてもらえる仕組みになっています。
  • 🚨就労系の在留資格の場合(日本の受け入れ企業ができること)
    基本的には現地での本人による確認が中心となりますが、どうしても状況が変わらない場合、日本の受け入れ企業(雇用主)から外務省の窓口へ、「日本側での受け入れ準備の都合上、進捗を伺いたい」という形で状況を確認してみる手段もあります。ただし、これによって審査が早まるわけではなく、あくまで現在のステータスを確認するための措置となります。

以上の内容を踏まえて、この記事でお伝えしたいことをまとめます。

<まとめ>

COEが交付された後の「現地でのビザ発給待ち」という期間は、日本側にいる私たちからは現地の動きが見えにくく、非常に不安を感じやすい時間帯です。特に一部の国籍や地域では、現地の情勢や書類の信憑性チェックのために、通常よりも審査に時間をかける傾向が見られます。まずは直接領事館に問い合わせ、「何がひっかかっているのか」を確認し、それに対して対応することが重要です。その原因さえ分かれば、そのための対策を行政書士などの専門家が対応できることもあります。


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