在留資格の取消について
日本に在留する外国人の方が一定の行為をしてしまうと、持っている在留資格を取り消されてしまうことがあります。在留資格が取り消されてしまいますと、もう日本にはいられなくなり、退去強制といって入管の施設に収容されて強制的に日本から出国させられたり、または出国のために必要な準備期間が指定されて「それまでに日本を出るように」ということになってしまうことがあります。
3月27日、出入国在留管理庁から令和7年の最新統計が発表されました。それによると在留資格の取消件数は1,446件と過去最多を更新。特に就労ビザにおいても、本来の業務を行っていないことによる取消が増加しており、入管の『実態確認』が一段と厳しくなっていることが数字からも伺えます。(出典:出入国在留管理庁『令和7年の在留資格取消件数について』)
ここでは、どんなことをすると在留資格が取り消されてしまうのか、について説明をしていきます。
- 在留資格が取り消されてしまう理由
- 在留資格取消の手続き
上記の内容を詳しくご説明させていただきます。
<在留資格が取り消されてしまう理由>
- 嘘をついたり、書類に嘘の内容を書いたりして、在留資格をとったり、変更したり、更新したりした場合。
- 現在持っている在留資格で本来するべき活動をしておらず、それに加えて、正当な理由もないのに、現在の在留資格で許される活動以外のことをしているか、しようとしている場合。
⇒例えば、留学の在留資格を持つ人が学校にもいかず、週に何回もアルバイトをしていたり、パチンコ屋に通いつめて、それで収入を得ている場合など。 - 正当な理由もないのに、現在持っている在留資格で本来するべき活動を3カ月~6カ月行っていない場合。
⇒「技術・人文知識・国際業務」「経営管理」「企業内転勤」「介護」「技能」「特定技能」「留学」「家族滞在」は3カ月間、その在留資格本来の活動をしていないと在留資格取消の対象になります。「高度専門職」の場合は6カ月間です。尚、「家族滞在」で本来するべき活動を行っていない場合とは、例えば離婚をしてしまった場合や、家事などをせずに働いている場合などがあたります。
⇒「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ方が、相手と離婚した場合、死別した場合、婚姻生活が破綻した場合、その状態のまま6カ月たってしまいますと、在留資格取消の対象になります。但し、相手から暴力を受けていた場合、ケンカをして一時的に別居していた場合、子供の育てる為に別居するしか他に方法がなかった場合など、きちんとした理由があれば在留資格取消の対象にはなりません。 - 短期滞在以外の在留資格(中長期の在留資格)をとった方が、資格をとった日から90日以内に住む場所の届出をしない場合。または引っ越しした場合には、引っ越しの日から90日以内に新しい住所を届出しない場合。但し、届出できない正当な理由があれば大丈夫ですので、例えば会社を急に解雇されてお金が無く住む家を決められない場合や、結婚相手から暴力を受けていて、それから逃げているので住む家を決められない場合などは在留資格の取消対象にはなりません。
- 短期滞在以外の在留資格(中長期の在留資格)をとった方が嘘の住所を届け出た場合。
2と3ケースの違う点は、『在留資格によって指定されている活動以外のことをしている、またはしようとしている』というのが2で、『指定されている活動をしていない』というのが3です。
3のケースの場合はその状態が3カ月~6カ月続けば在留資格取消の対象となりますが、2のケースの場合はその期間の猶予がなく在留資格取消の対象になってしまいますので注意が必要です。
<在留資格取消の手続き>
上記1~5の理由に当てはまってしまうような場合、まず入国審査官が外国人本人に対して意見を聴ききます。これを意見聴取といいます。実際には意見聴取日が指定されている意見聴取通知書という書類が送られてきますので、その指定された日に入管へ行かなければなりません。そして、その意見聴取の場で、例えば90日以内に住所を届けられなかった場合について正当な理由があれば、それを入国審査官に伝えます。
意見聴取の結果、やはり在留資格の取消となってしまった場合、取消となった理由により、その後の手続きが変わります。
[在留資格取り消しの理由]
1のケースの場合
(嘘をついたり、書類に嘘の内容を書いたりして、在留資格をとったり、変更したり、更新したりした場合)
- 退去強制手続きといって、入管の施設に入らなければならず、そのまま強制的に日本から出国することになります。この退去強制になった場合、その後5年~10年は日本に再度入国することはできなくなります。
2のケースの場合
(現在持っている在留資格で本来するべき活動をしておらず、それに加えて、正当な理由もないのに、現在の在留資格で許される活動以外のことをしているか、しようとしていた場合で、逃げると疑われてしまったケースの場合)
- 上記と同じ、退去強制手続きになってしまいます。
1と2のケース以外の場合
- 30日以内の出国猶予期間が与えられますので、その期間内に自主的に出国することになります。期間内という制限はありますが、退去強制のように入管の施設に入る必要もなく、自主的に出国することになります。


