就労ビザ【経営・管理】⑤

日本で会社を作って経営する・役員になるためのビザ(経営・管理

日本で新しく会社を設立して社長(経営者)になる場合や、既存の大きな会社に役員や部長などの「管理者」として迎え入れられる場合に必要となるのが、この「経営・管理」ビザです。
2025年10月、このビザは制度開始以来とも言える大きな改正が行われました。まずはこのビザの基本をおさらいしつつ、新しく加わった極めて高いハードルを確認していきます。

以下の4つの項目に分けてご説明します。

  • 「経営・管理」ビザとは?
  • 2025年10月からの「5つの新基準」
  • その他の注意点
  • 既に「経営・管理」のビザをお持ちの方が資格を更新する場合

まずは、上記の内そもそも「経営・管理」ビザとはどういうものなのかから詳しくご説明します。

<「経営・管理」ビザとは?>

このビザは、日本で会社を経営したり、大きな企業で役員や部長などの役職をもって管理業務をする場合に必要となるビザです。対象となるのは主に以下の2パターンです。

  1. 「経営」
    代表取締役や取締役として事業の運営方針を決定し、自らビジネスを動かす方。
  2. 「管理」
    部長、工場長、支店長などの管理職。一定以上の組織規模で、部下を指揮・監督する役割を担う方。例えば従業員数が10名以下のような小さな会社の「名ばかりの部長」ですと、許可は大変厳しくなります。実態として、経営判断に関与しているか、あるいは一定数の部下を実際に指揮している必要があります。

次に昨年より新しくできた基準についてご説明します。

<2025年10月からの「5つの新基準」>

これまでは「500万円の出資」があれば条件はクリアでしたが、改正後は「資本金・雇用・日本語能力・経営能力・事業計画」の5点セットが義務化されました。

項目旧基準2025年からの新基準
事業規模(資金)資本金500万円以上資本金3,000万円以上
雇用の義務500万円あれば不要常勤職員1名以上の雇用が「必須」
日本語能力不問本人or職員が「N2レベル」必須
経営者の資質不問3年の経営経験 または 修士号必須
事業計画書本人作成でOK税理士等の専門家による確認が必要

以下で補足の説明をさせていただきます。

[事業規模について]
これまでは、会社であれば資本金、個人事業であれば事業を行うための資金は500万円で大丈夫でしたが、新基準ではこれが3000万円に増額されました。

[雇用の義務について]
雇うべき「常勤職員」は、日本人や永住者など、就労制限のない人に限られます。具体的には、日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者となりますので、例えば技術人文知識国際業務のビザを持つ外国人ではNGとなります。

[日本語能力について]
経営者本人が話せなくても、N2以上のスタッフを常勤で雇えばクリア可能です。ただし、以下のどれかの条件をクリアしている必要があります。尚、従業員が日本人や特別永住者の場合は当たり前ですが日本語はペラペラのはずですので、関係ありません。

  • 日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
  • BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上取得していること
  • 中長期在留者として20年以上我が国に在留していること
  • 日本の大学等高等教育機関を卒業していること
  • 日本の義務教育を修了し高等学校を卒業していること

[経営者の資質について]
以下の2つの条件のうち、どちらかをクリアする必要があります。

  • 申請者が、経営管理、又は今回やろうとしている事業に必要な技術や知識に関するに博士や修士、または専門職の学位を取得していること。(博士、修士、専門職の学位については外国の大学での取得でもOKです)
  • 事業の経営又は管理について3年以上の経験があること

[事業計画書について]
新しい基準では、やろうとしている商売の事業計画について、プロの確認が必要ですので、具体的で現実的な詳細にわたるしっかりとした事業計画書を作成する必要があります。尚、確認が必要なプロとは以下の資格保有者です。

  • 中小企業診断士
  • 公認会計士
  • 税理士

上記でご説明した5つの新しい基準の他にも以下のような条件があります。

<その他の注意点>

これまで説明した5つの新基準の他、以下のような条件もありますので十分注意してください。

  1. 事務所
    以前から厳しかった事務所要件ですが、2025年以降は「名義貸し」や「ペーパーカンパニー」を徹底的に排除する運用になっています。
    • バーチャル・シェアオフィスは完全にNGとなりました。
    • 自宅兼事務所も原則として認められなくなりました。専用の入り口、独立した事務スペース、自社専用の固定電話やネット回線など、事業所、事務所として完全に独立していないと許可されなくなりました。
  2. 業務委託
    申請者自らが経営管理をする必要がありますので、業務委託を行うなどして経営者としての活動実態が十分に認められない場合は、NGとなります。
  3. 出国
    在留期間中、正当な理由なく長期間の出国を行っていた場合は、日本での経営管理をしていないということになり、在留期間更新許可は認められなくなります。
  4. 永住者申請
    「経営・管理」のビザから永住権を目指す方は、これまで説明した新基準を継続してクリアしていなければなりません。
    尚、持っているビザは「経営・管理」ではなく「高度専門職1号ハ」・「高度専門職2号(経営管理の活動をしている場合)」の場合も、日本での活動は実質的に経営管理となる為、同様の扱いになります。

最後に「経営・管理」のビザをすでにお持ちの方の更新についてご説明します。

<既に「経営・管理」のビザをお持ちの方が資格を更新する場合>

現在、すでに「経営・管理」のビザを持っている方が2028年10月17日以降にビザ更新する場合は、これまで説明した新基準をクリアする必要がありますので、十分注意してください。
尚、持っているビザは「経営・管理」ではなく「高度専門職1号ハ」・「高度専門職2号(経営管理の活動をしている場合)」の場合も、日本での活動は実質的に経営管理となる為、同様の扱いになります。

以上が「経営・管理」ビザのご説明です。


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